【お役立ちメニュー】保証期間が切れても対応してくれる業者を選ぼうブログ:19/3/12
函館での学生生活のために、
兄貴が一人暮らしを始めた。
我が家のテーブルには、
兄貴の椅子がポツンとひとつ…
食卓の一角がぽっかりあいた。
家が広くなったような気がする。
そして、
おれが分担する洗濯物が激減した。
おれは、兄貴がいないのを実感。
父が、おとなしい。
あんなに怒ってばかりいたのに…
あんなに威張っていたのに…
今は落ち着きまでない。
一方、ママは以前より忙しくしている。
あんなに外で働くのを嫌がっていたのに、
兄貴の仕送りのため、
いそいそとパートの仕事に出るようになった。
帰って来ると、3日に一度は、荷造りだ。
「野菜が高いからね。お兄ちゃん大変でしょ。
それに、お菓子だって、男の子は買いにくいものねぇ…」
まるでおれに言い訳をするかのように、
丁寧に荷造りに励む。
隣りで、父は、静かに新聞を読んでいる。
「お父さん、手伝ったら」
おれの声も、父には届かないようだ。
家族って、たった一人いないだけで、こうも空気が違うものか。
あんなにけんかばかりしていた私も、
最近、けんか相手がいなくて、何だか変…
「早く帰って来ないかな。いたって、意地悪されるくらいだけど、
いないと調子がおかしくなっちゃう。早く帰って来てよ…」
そう、心の中で思いつつも、
今日も、父とママを気遣っている。
寂しいのは、おればかりではないはずだから…
一週間くらい前、兄貴から電話があった。
「しっかり勉強しろよ。ふざけてると、大学に入ってから泣くぞ。
それと、お父さんとお母さんのこと、頼むぞ!」
そう言うと、切れた。
おれは、兄貴が、少しだけ好きになった。
いてもいなくても、兄弟。
いてもいなくても、親子なんだと、
おれは、実感した。